化学物質の毒性調べ方

(後半未完成ですが、時間を見て順次追加します。)

 有害な化学物質の毒性や発癌性について知らない(知らされない)ことは恐ろしいことです。

 会社に入社したてで機械実習をしている時、手が油でべたべたになるので専用の石鹸で洗っていましたが、完全には取れませんでした。そのうち、誰かが加工した部品の洗浄に使っているトリクレン(トリクロールエチレン:甘い匂いがする)で洗っていたので、私も一度洗った事が有ります。しかし、手が白くなり危険を感じたので、良く水洗いしてそれから触れることは有りませんでした。

 今でこそ、トリクレンは発癌性が有り、吸い込むだけでも中枢神経系に影響を与え、また鼻は香りに対して直ぐに麻痺してしまうので、知らずに致命的な量を吸引してしまうため使用されなくなりました。

 同じ事が柔軟剤の香り成分等の化学物質でもアレルギーを引き起こしたりして起こっていますが、今は規制が無く無法状態です。製品には香料とだけしか書かれておらず、ほとんどの消費者は安全だと思って、量を増やしたり果ては混ぜ合わせたりしている人も居る位です。

 香料以外の物質名が表示されている化学物質は、インターネットで簡単に調べることが出来ます。ただ、化学物質は同じ物でも、名前が沢山付いている物もあり、注意が必要です。

 私の知っている化学物質の持っている毒性の調べ方を紹介したいと思います。
 私は亀の子と医学については素人ですが、仕事で化学物質の調査や輸出規制で化学物質の調査担当でした。誤りや思い込みがあるかもしれませんが、ご容赦下さい。詳しい方は教えて戴けると助かります。

<毒性を調べるにあたっての予備知識>
1.なぜ毒性を調べるか?症状の出る人と出ない人・・・化学物質が持つ毒性および閾値

 下の図の白黒部分は、山形大学医学部環境保健学講義資料の「有害化学物質による健康障害」の一部です。その資料に、合成香料アレルギーの私(青色の部分)と今までは何とも無く一度だけひどい症状が出た妻(赤色の部分)が過去に経験した症状を書き込んだものです。































 私は感受性が高い人で、臨界影響の閾値(この値を越えると影響が出る)あたりをふらふらしていて、症状が出たり直ったりしている。そして、アルコールの影響が加わった時(ビール大瓶半分でも)には、可逆性影響の限界近くまで行き、意識を失いそうになったり、眼前暗黒感(突然目の前が真っ暗になる)症状が出た。

 一方、妻は普通の感受性で、私と同じレベルの合成香料の臭いを嗅いでも通常は何とも無い。但し、一度長時間吸い続けた時には、アナフィラキシー状態になり、病院で点滴を受けた。(もtろん一緒に居た私もダウンした)

 この様に、人により同じ化学物質を同じ量吸っても、症状の種類や強さに差が有るという事を理解して下さい。そして、症状は、MSDSで毒性を調べることで、どんな影響が出るかが分かります。


2.MSDSMaterial Safety Data Sheet(SDS)(化学物質安全性データシート)について
   経済産業省の資料によると、→リンク
 化管法で指定された「化学物質又はそれを含有する製品」(以下、「化学品」)を他の事業者に譲渡又は提供する際に、化管法SDS(安全データシート)により、その化学品の特性及び取扱いに関する情報を事前に提供することを義務づけるとともに、ラベルによる表示に努めていただく制度です。

 ここでは私の症状がはっきりしていて成分が公表され、また世間で知られているマニキュア除光液の主成分であるアセトンを調べてみたいと思います。

 マニキュア液、マニキュア除光液の毒性については、日本中毒情報センターの資料を参照して下さい。→リンク

 但し、ここでは、肝心なアセトンの気体を吸った場合についてはあまり触れられていません。
 しかし、以前ラジオで、お母さんが除光液でマニキュアを落としていて、アセトンは空気より僅かに重いので下に溜まり、下に寝かせられていた赤ちゃんが中毒になった、と言っていました。→リンク

<毒性の調べ方>
 では、このアセトンのMSDS(SDS)を調べてみましょう。

 インターネットの検索で「アセトン MSDS}のキーワードで検索すると、アセトンを製造しているメーカーや販売している会社、安全衛生情報センター等の情報が出てきます。

 以下は安全衛生情報センターの資料から一部をコピーしたものです。

11.有害性情報  
  急性毒性: 経口 ラット LD50 >5000mg/kg 3) ,4)
    吸入 ラット LD50 32000ppm(75.8mg/L) 4)
    経皮 ウサギ LD50 >5000mg/kg 3) ,4)
    蒸気は、眼、気道を刺激し、中枢神経系、肝臓、腎臓、胃に影響を与え、意識喪失を起こすことがある。 10)
    多量の吸入により眼、喉の刺激、不快感、頭痛、吐気、知覚麻痺、血圧低下、呼吸速度の上昇と不規則が報告されている。 11)
    経口で200mLほど摂取したヒトの症状は30分後に昏睡状態、頬の紅潮が現れ、呼吸が浅くなり昏睡状態に陥ったが、治療により快復する。 11)
    アルコ-ル飲料の使用により有害作用は増大する。 10)

注)私は何度も経験したことですが、これら揮発性有機化合物(柔軟剤や洗剤の臭い成分もこの仲間)を吸い込んだ場合、アルコール飲料の摂取で劇的に症状が現れます。→結婚式の衣装合わせで担当の人が柔軟剤の臭いプンプンの人でした。その時は何とか我慢できたのですが、その後の試食会でワインを飲んだら、終り間際になっていきなり意識が遠のいて(手術で麻酔薬の点滴を受けた時の様に突然)車椅子で運ばれるはめになりました。

特定標的臓器・全身毒性
(単回ばく露):

ヒトへの12000ppmのばく露で喉の刺激、200mLを飲み込んだ男性に昏睡(12時間後意識回復)、12000ppmばく露した労働者に頭痛、めまい、足の脱力、失神及びラットの吸入試験で中枢神経の抑制が認められている。 3)
麻酔作用を有する。
吸入すると上部呼吸器系を刺激する。
1190、2400mg/m3/6hのばく露で鼻、喉、気管の刺激、1000ppm/4hのばく露で喉の刺激が報告されている。 7)
呼吸器への刺激のおそれ(区分3)、眠気又はめまいのおそれ(区分3)

 娘が2階の部屋で窓を締め切った状態でマニキュアを落としていて、1階の部屋にいた私は咳が出て、頭痛もしてきました。



3.MSDS以外の資料(隠された毒性を調べる)
<国際化学物質安全性カード(ICSC)>
 国際化学物質安全性カード(ICSC)は、明確で簡潔な方法で化学物質に関する本質的な安全衛生情報を提供することを目的としたデータシートである。

 ICSCは信頼性があるか?
・ISCの作成においては国際的なピアレビューを受けるため、カード内容の信頼性は高く、貴重な情報源となっている。
・ICSCは、利用可能な化学物質安全データシートを補完する。
・無料でICSCを利用できる。
・ICSCに法的拘束力はない。

 国際化学物質安全性カード(ICSC) -日本語版-→リンク
 日本語の物質名やCAS番号等で検索できる。

 イソシアネートで検索すると、以下のイソシアネートが検索結果で出てICSC番号の所をクリックすると身体曝露時の症状や許容濃度等のデータが見られる。
    物質名CAS番号ICSC番号
    1,5ナフタレンジイソシアナート3173-72-60653
    2,4-トルエンジイソシアナート584-84-90339
    イソシアン酸シクロヘキシル3173-53-30856
    イソシアン酸フェニル103-71-91131
    イソシアン酸ブチル111-36-41642
    イソシアン酸メチル624-83-90004
    イソホロンジイソシアナート4098-71-90499
    トルエン-2,6-ジイソシアナート91-08-71301

2,4-トルエンジイソシアナートの抜粋コピー
災害/
暴露のタイプ
一次災害/
急性症状
予防 応急処置/
消火薬剤
吸入 腹痛、咳、吐き気、息切れ、咽頭痛、嘔吐
症状は遅れて現われることがある(「注」参照)。
局所排気。呼吸用保護具。 新鮮な空気、安静。半座位。人工呼吸が必要なことがある。医療機関に連絡する。
皮膚 発赤、灼熱感、痛み 保護手袋、保護衣 洗い流してから水と石鹸で皮膚を洗浄する。医療機関に連絡する。
発赤、痛み、かすみ眼 顔面シールド、または呼吸用保護具と眼用保護具の併用 数分間多量の水で洗い流し(できればコンタクトレンズをはずして)、医師に連れて行く。 

許容濃度:
TLV:0.005 ppm(TWA);0.02 ppm(STEL); A4(人における発がん性が分類できていない物質); SEN(感作物質) (ACGIH 2004) (訳注:詳細は ACGHI の TLVs and BEIs を参照)
MAK:気道感作(Sa); Carcinogen category発がん性カテゴリー:3A (DFG 2004) (訳注:詳細は DFG の List of MAK and BAT values を参照)


長期または反復暴露の影響:
反復または長期の接触により、皮膚感作を引き起こすことがある。反復または長期の吸入により、喘息を引き起こすことがある。人で発がん性を示す可能性がある。 

喘息の症状は 2~3 時間経過するまで現われない場合が多く、安静を保たないと悪化する。したがって、安静と経過観察が不可欠である。
・この物質により喘息の症状を示した者は、以後この物質に接触しないこと。
・許容濃度を超えても、臭気として十分に感じないので注意すること。


4.酸化による化学変化



5.気になる有機溶剤の慢性中毒との症状共通点

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